お客さんいたちはお好きですか?
何と申しましょうか、実はうちの子、拾われの身なんですよ。信じられますか?犬や猫ならまだしも、いたち!。フェレットがまちなかを歩いている訳ないでしょ、普通。それが起きてしまったから私としては大事件。
昨年(1999年)の桜散り行く4月の某日、うちの共同住宅のガードマンさんがつかまえちゃったんですね、変な生き物を。それで管理組合の理事をやらされていた私があずかってしまったの。どうせすぐに飼い主が出てくるであろうと、タカをくくっていたんですよ。それで張り紙をして待った訳ですが、10日経っても出て来ないんだ、なぜか。まあ2日目にして、元の飼い主が名乗り出てこないかも知れないとは思い始めていたんですけどね。と言うのが、少し様子が変だなと思って、捕まえられた翌日、近所の動物病院に連れて行ったんです。そしたら、動物のお医者さんが言うには、脊椎を損傷しているのと、後ろ足を骨折しているんだそうな。レントゲンも撮って見ましたけど、なるほどかわいそうに小さな細い骨が折れている。その時点では震えも止まらないし、まっすぐ歩くこともできなかったんですよ。「まあ高い所から落ちたか、故意にやられたかでしょ」とお医者さんに言われてしまったのです。その結果が、我が家に突然家族がひとり(一匹か)増えてしまったということなのです。案の定、誰ひとり名乗り出てきませんでした。しばらくは病院に通いましたよ、仕方ないから。保険とかきかないから高いんだ、これが。
はっきり言って、許せないんですよ。こういう行為というか、ペットを大事にしない人間が。ペットって結局、人間の都合で本来居るはずのない環境に居るわけじゃないですか。増してや、動物虐待とかって絶対にいけませんよ。特に生態系を壊すおそれがあるということで、こういった外来種は注意が必要なわけでしょ。隅田川の東側とはいえ、都心に近いこの辺で、野良いたちがいるわきゃないし。よく野良猫にやられなかったなあと不思議なくらいですよ。ホント、我家に来たときは、フラフラでゲッソリ痩せていたんですから。体重は700gしかなくて、それから2カ月でほぼ2倍にまで戻りましたがね。
一年以上経った今では、おかげさま?で随分元気になりましたよ。毎朝、パパさんとおっかけっこして走りまわってるくらいですから。それでも背中は丸まったままです。それから最近、何故元飼い主が出てこないのか、何となく分かった気がしてます。フェレットって、想像を絶するいたずらっ子なんですよ。メチャクチャ手がかかるというか、猛烈に好奇心が旺盛で、袋状のものがあれば中に入らないではいられない。洋服や布製のものには必ずもぐる。ときどきたたんである私のシャツが移動していくのを目撃します。気に入らないことがあれば、わざとトイレではないところでオシッコをしたり、最初のころは噛みつきも猛烈でした。まあこちらも、彼にあわせて部屋を細工したり、床に物を置かないようにはしていますけどね。そもそもいたちの生態なんて知らなかったから、随分解説書も読んで、勉強しましたよ。
まあ、こういった動物ってそんなに長生きはしないもののようですが、私は彼を何とか老衰で死なせてやりたいと思っています。絶対に事故死だけはさせないつもりで面倒見ています。彼が生きている間は、毎日5時30分に起きなければいけません。今となっては、それでもいいと思っています。シンドイですけどね、とにかく可愛い奴です。
何はともあれ、人間の身勝手で何の罪もない動物が傷つけられたりするのは、おかしいですよ。この地球の自然環境は人間のためにあるわけではない。人間はすぐれて高等な進化した動物かもしれないけど、今のような環境破壊をしているうちは、自然界の嫌われ者でしかないのではないですか。私はムツゴロウさんではないし、動物が特別好きでも嫌いなわけでもない、ごく普通の人間ですが、人間のエゴには結構腹立たしく思っています。やっぱり、動物虐待や幼児虐待とかって、いけませんよ、絶対に。いうこときかないかもしれないけど、相手に罪はないんですから。
ごん太
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